【マットの上での在り方~ 自己受容】
前回の投稿で、ヨガのレッスン中は「感じる」時間で、「いま・この瞬間」と繋がることが大切である、とお伝えしました。
では、いまこの瞬間に意識をむけた結果、湧き起こってくる感覚に対して、どう向き合っていけば良いのでしょうか。
自己受容
そのまんまを、そのまんまに受け止めていく、自己受容の在り方です。
分かりやすいように、自己否定・自己肯定・自己受容について、比べてみましょう。何かに対して頑張っている自分がいるとします。
自己否定「怒ってはいけない。だから私はダメなんだ」
自己肯定「怒っても良いんだよ、仕方ないよね、私は悪くない」
自己受容「怒っている私がいる」
そう、自己受容というのは、良い・悪いの判断を下さず、「ただその状態に気づいている」という状態です。
この「判断を下さない」というのが難しい。
なぜなら、私たちは日常生活で常に、無意識のうちに感情や出来事、感覚に対してジャッジを下しているからです。自分にとって、快か不快か、利益か不利益か、正しいのか間違っているのか、、、。
そして、自分に相応しくない感情や感覚などは、無意識に蓋をしてしまう事があります。気付かずに抑圧された感情は消化されず、筋肉のこわばりなどとして内側にため込まれていきます。
「自分にとって相応しいから」と、理由付けして受け入れるのではなく、理由付けして受け入れないのでもなく、「ただ気づいている」という自己受容の在り方。それは、どんな自分でも受け入れる、赦している、存在自体をそのまんまに受け入れていく事に繋がっていきます。
ただ「いのち」がここに在る、それだけで充分に価値がある。
そのまんまをそのまんまに受け入れ、知らず知らず自分自身を抑圧している考えや感情を取っ払って、本来のご自分に還ることで、その才能を十分に開花していこう、というのがヨガ哲学です。
マットの上では、自己受容。
マットは人生の縮図。マットの上での在り方は、自然と日常生活に波及していきます。